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6月の梅雨が明けた頃、くちなしの花に小さなカマキリの赤ちゃんを5匹ほど見つけました。
この世に誕生してきっとまだ間もないであろう彼ら。それでもちゃんとカマキリでした。

その日から数日の間、彼らの姿を見届けるのが日課になりつつありました。でもしばらくして大雨などがあり、ある日を境に姿を消した彼ら。まだ小さいので風に飛ばされてどこかへ行ってしまったのだろうかと心配で、くちなしの花を隅々までチェックしてしまう日々でした。
そんな日々から約1ヶ月後、我々の心配をよそに隣のクヌギの木で上手く擬態しているところを発見。

葉の間で1ヶ月前よりも少し大きくなった姿を見て、生きていたか!と小さく歓喜の舞でした。急いでカメラをとりに走り、何となくこのタイミングから他人(他虫?)と思えなくなってきた私。
そしてまたその数日後から忽然と姿を消したカマキリ達。
そしてまたその約1ヶ月後、今度はだいぶ離れたところにあるナンキンハゼの幹で発見。

この頃になるともう成人、いや成虫へと成長していて、勇ましい感じを醸し出していました。カッコイイじゃあないか。
でも最初に最低でも5匹はいたはずが、このカマキリしか見当たらず。どこかに新居を見つけたのか、自然淘汰されたのか。8月も中旬、この猛暑をなんとか生き抜いてくれ。と彼女(彼?)への想いが募りました。
そして今度もこの日からしばらくしてまた姿を消したカマキリ。
次に見つけたのはそこから1ヶ月以上経った9月末。この日が彼女のラストデイでした。
小窓からふと外を見ると、彼女が目の前の壁に。

1ヶ月以上も姿を見せてくれなかったので、小さく安堵の舞を。
でもカメラを近づけてもあまり反応しないカマキリ。ふうむ。
そしてその日の午後、少し離れた壁に何となくアンバランスな体になっていて。

その後しばらくして、カマキリは一生を終えました。

土に返すのが正しい気がしたので最初に見つけたくちなしの花の下に。アリ達が一生懸命その亡骸を運んでいて、これがまさに自然の摂理なんだろうと感じ、同時にこのカマキリの一生が終わった事に何とも言えない悲しさと切なさとを感じました。
ずっと同じカマキリだったかどうか分かりませんが、それでも勝手に思いを寄せて、勝手に応援して、勝手に切なくなって。こんな風に誰かの一生を最初から最後まで見届けたことは今までなかったのでとても記憶に残る夏となりました。
姿を消していた間にどんな風に過ごしていたのか、何を食べていたのか。
あとになって調べてみると、カマキリは新たな希望(祈る姿)や子宝(卵が沢山)などの幸運の象徴だと知りました。良い未来をもたらす拝み虫なんだと。そうか、彼女のおかげで。勝手な人間の都合であっても、そう思うと、またしても勝手に胸が熱くなった私であります。
君の存在に心動かされた人間がここにいますよ!と。彼女が無事に子孫を残せことを祈って、完全なる自己満足の感謝の証です。
みなさんは今年の夏、どんな夏でしたか?
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おがたま – Ogatama –
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